呼び出され公園に来るアン子 スミカとぼろきれを纏った魔女みたいな人が 公園のベンチで座って焚火をしている アン子「ちょっとこんな時間に呼び出して何?」    「ゲームしてたのに」 スミカ「おぉ、来たか」 アン子「え、どちらさまですか?知り合い?」 スミカ「知らん人じゃ、さっきこの公園で会ったんじゃ」 吉田 「どうも、吉田です。この公園でホームレスをしてます。」 アン子「ここで勝手に焚火していいの?」 吉田 「これは焚火ではありません、送り火です。」 アン子「どっちでも同じだって」 吉田 「私は長年ホームレスをしてますが、見つからなければ何も言われません」 アン子「いやそりゃそうでしょ…見つかった時の話してるんですよ」 吉田 「見つかった時はみんなで怒られましょう」 アン子「嫌だよ」 スミカ「そうじゃアン子よ、この吉田さんが怖い話をしてくれるらしいぞ。一緒に聞くぞ。」 アン子「え、そのために呼ばれたの?勘弁してよ」 スミカ「何じゃその言い方は!あの吉田さんが語ってくれるんじゃぞ!」 アン子「あの吉田さんって何よ、さっき知り合った人でしょ」 スミカ「それじゃよろしく頼む」 吉田 「わかりました」 アン子「えぇー、ちょっとだけだよ、早く終わらしてね」 吉田 「これは私が実際体験したことなんです」    「先月私の家に仕えるメイドがリビングを掃除していた時のことなんですが」 アン子「いや待って待って」 吉田 「え…?」 アン子「長年ホームレスしてるんじゃないの?お金持ちじゃん」 吉田 「破産したんです…」    「映画のチケット転売しようとして全財産投資したら全く売れなくて破産したんです!」 アン子「えぇ…もっと分散して投資しようよ…」 吉田 「お願いします、私を捨てないでください!」    「確かにお金持ちの人は生活保護のためにお金を払ってるわけじゃないし」    「猫が道端で伸びてたらかわいいもんだけど」    「ホームレスが伸びてると何で我が物顔で段ボール弾いて寝てんだろうなって思うかもしれない」    「ならほら、この猫が困ってるという名目で私を救ってください!」(火の近くに黒猫がいる) スミカ「うっ…泣ける話じゃのぅ…ほれ、ネギだけのねぎまをやろう!」 吉田 「バカにしないでください!それで私を餌付けしようとしてるんですね!」    「私は施しは受けません!」 スミカ「そんな意地を張るな!憎しみは何も生まんぞ!」    「それより手を取り合って仲間になるんじゃ!」 吉田 「仲間…仲間ですか…悪くない響きですね…」 スミカ「今宵わしらは蜜月の関係になったんじゃ!」 吉田 「これが…友愛…」 スミカ「この先困難が待ち受けていてもわしら3人で乗り切るぞ!」 吉田 「がんばりましょう!」 スミカ「ならほれ、野菜はおいしいからこのネギを食えな」 吉田 「なるほど、ヴィーガンやめられないわけですね」 アン子「怖っ、何この人たち…もう帰ろ…」 897